将棋ノンフィクション
鈴木忠平『いまだ成らず 羽生善治の譜』(文藝春秋)。2024年になって羽生善治九段の名前をタイトル入れた本が出る。それも話題のノンフィクション作家である鈴木忠平氏が書いたとくれば、期待は高まってくる。 羽生九段の半生記といった内容になるのだろう…
藤井聡太の快進撃がつづいている。今年に入って名人位も奪取し、8つあるタイトルのうち7つをもっている。残るひとつ王座への挑戦も決めて、史上初の八冠となるか注目されている。そんな無類の強さをみせる藤井七冠は、詰将棋好きとしても知られている。詰…
藤井聡太竜王がタイトル6冠へ挑戦している。プロ入りが2016年10月で、プロデビュー直後の連勝からこの6年間、話題になり続けている。ちょうど藤井聡太がデビューしたころの将棋界について、藤井ブームとは別の視点で書いている2冊を読んだ。 まずは、松本…
里見香奈女流が棋士編入試験への挑戦を決めた。プロとの対局で好成績をおさめて規定を満たし、この8月から新四段5名との試験対局がはじまる。5局中3勝することができれば、女性初のプロ棋士の誕生ということで注目が集まっている。将棋界でプロになるに…
順位戦が佳境を迎えている。藤井竜王はあと1勝でA級に昇級となる。順調に勝ち上がれば、最年少名人の可能性も残していて目が離せない。最終局を前に、A級を29期守った羽生善治九段の降級が決まった。去年もあやうくというところだったので、いつかそう…
棋士にはみな師匠がいる。将棋界には師弟制度があって、プロの世界に入るには弟子入りをすることになる。最近どこの業界でもタテの関係の難しさが目立つけれど、将棋界は外から見ていていいなぁと思うことが多い。 たとえば地上波で放送されるNHK杯には、解…
だれもが知る棋士、羽生善治の世代には何人もの強豪棋士がいる。いわゆる羽生世代はなぜこんなにも強いのだろう?大川慎太郎『証言 羽生世代』(講談社現代新書)はこの問いの答えを追い求め、棋士たちにインタビューした記録である。 羽生善治、佐藤康光、…
今年の7月、藤井聡太七段は早くも2回目のタイトル挑戦をしていた。相手は、前年に最年長で初タイトルを獲得した木村王位。最年少と最年長、対照的な組み合わせになった。樋口薫『受け師の道 百折不撓の棋士・木村一基』は、木村の修業時代からタイトル獲得…
将棋を見るのが好きなので、自然と関連する本に手がのびる。読書が趣味だと、別の趣味とすぐリンクするのがいい。というわけで、将棋のノンフィクションを立て続けに2冊読んだ。とても良い体験だったのでそのことを書いてみる。本を読んでいると、棋士たち…