雑記2022

今年に入ってからブログのサイドバーのところに、近況みたいなものをだらっと書いていました(ブラウザ版のみ読める)。Twitterは字数制限があるし、ブログはしっかり書かなきゃみたいな意識があって、そのあいだくらいの感じで。アーカイブしないって最初に書いてますが、いざ上書きするともったいない気になって(貧乏性)、保存していたので振り返りもかねて並べてみます。

 

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ここに場所をつくってみる。松岡正剛の千夜千冊のサイドバーコラムがけっこう好きだったのになくなってしまった。真似して、アーカイブされない文章を書いてみる◆読書の記録をつけていると、自分のもつ傾向がわかってくる。どうも文化史と技術史のあいだくらいが関心の中心にあっていろんな枝がのびている。科学が中心だと思っていたのだけど、それをやる人間込みの関心という方がしっくりくる。◆昨年末あたりから転職を考えはじめた。ようやく落としどころが決まり、ひと段落ついたかなというところ。いい選択ができたとは思っているけど、これからどうなるのかやや不安。◆1/28
 
 
磯光雄監督の『地球外少年少女』をNetflixで一気にみた。宇宙で生まれた子供と宇宙旅行にやってきた子供たちが宇宙ステーションの事件に巻き込まれサバイバルする話。シリアス、コメディのバランス感がよく、30分×6話で各話に山場がある構成。未来的なガジェットと考えてハックするマインドがいい。「フレーム」という言葉の使い方が印象的。◆定期的に2つの読書会に参加している。みんなで同じ1冊の本を読んできて、話すという形式。自分にはない視点の読みが聞けたりしておもしろい。選書という意味でも、いつもは自分で選ぶ本だけ読んでいるので、そうでない本を読む機会になっている。自分の偏り、フレームがどうなっているかに意識的にもなる。◆2/6

 

 
リチャード・パワーズの小説『黄金虫変奏曲』の日本語訳がでる。みすず書房から4月8日の予定。訳者は若島正さん、森慎一郎さん。同じくパワーズ『ガラテイア2.2』のあとがきで予告されてから20年以上が経っていて、待望の翻訳になる。パワーズ作品は訳されているもの8作すべてを読んだ。どれも重量級で、ひとりの人生を超えるものを描こうとする力を感じる。濃密な読書体験だった。ひとつひとつの文章に圧倒されるあまり、小説として全体をどこまで読めているのか自信がないところもある。つまり、まだまだ読み直す楽しみが残っている。関連作を読んだりしながら、期待して近刊を待ちたい。◆2/19
 
 
3回目のワクチン接種をしてきた。これまでの2回は会社の職域接種で受けれたのだが、転職の都合でそうもいかず、今回は自分で予約する。意外とすんなり枠がとれて、少し離れたイオンモールへいってきた。会場の受付から接種までの流れもスムーズでよかった。◆その日の夜から副反応がでてきて、腕の痛みと頭痛がする。次の日に発熱。高熱ではなかったので、寝ころんで読書することはできた。軽い本(物理)を読むのには普段より集中できたかもしれない。ほかになにもやらないと割り切れると、集中できることがままある。寝床にて微熱で読む『深夜特急』はひと味違う体験だった。有休消化期間ももうすぐ終わってしまう。◆3/8
 
 
大貫妙子『Sunshower』のレコードを予約していたのに、数量が足りなくてキャンセルになった。そんなことあんのかよ、なんのための予約なんだと思ったけど、それだけ人気らしい。ほしかったけどしょうがない。レコードの生産キャパが足りないという話も聞くし。◆レコードプレーヤーを買ってから、1年がたった。ブックオフでレコードを見たのがきっかけで、勢いで買ったものを聞きたくて。山下達郎『Big Wave』と松田聖子ユートピア』。それまでレコードプレーヤーを触ったこともなかったが、実際に聞いてみるとなかなか楽しい。これで音が鳴ることが不思議で楽しい。原理は知っていても、目の前の回転と音が結びつかない。音がいいかどうかはよくわからないがそれでもなんか楽しくて、レコードの占める空間が少しずつ増えている。◆3/31
 
 
春クールがはじまった。この数年、新しくスタートしたアニメの1話を全部録画して、とりあえず再生してみる。前情報はあったりなかったりで、なにも考えずに見始める。5分も見続けるのは半分くらいで、1話を最後まで見るのは10作もない。最終話までいくのはだいたい3、4本になる。今期2話に進んだのは『パリピ孔明』、『ダンス・ダンス・ダンスール』、『サマータイム・レンダ』。◆最初は、見ているものが好きかどうかの判別がつかなかったが、しばらく続けているとだいたい自分の好みがわかってくる。冒頭1分でおおよそ心は決まっている。アニメの動き方やモノローグの入れ方、世界設定など。いきなりバトルがはじまるとやめがち、とか。もちろん1話はそこそこで、尻上がりにおもしろくなることもあるのだけど。◆4/15
 
 
GWの休みはカレンダー通り。とくにこれといった予定もなかったので、本の整理に着手してみる。ながらく紙の本がメインで、ぜんぶ保管していく方針をとっていたので置き場所がなくなってきた。このへんで一度見直して、手放すことを考える。まずは少しだけ。整理しようと思って本を手に取ると、気になってページをめくりはじめてしまう。あるある。買って積んだまま興味がなくなってた本もあった。迷いながらも、とりあえず段ボール2箱分買い取りに出す決心をつけた。ネットの買い取りサービスに登録して、集荷に来てもらった。値段はあまり気にしないつもりだけど、どうなるか。◆5/5
 
 
賀茂川の川べりに本を読みにいった。公園になっている河川敷はみんな思い思いに過ごしていて、居心地がよい。ベンチに座っている人、シートを敷いて寝ている人、川で遊んでいる人、テントに入っている人。楽器を演奏する人、自転車で走る人、ランニングする人などなど。読書している人もけっこういた。自分も日陰のベンチに座って本を読む。『モチベーションの心理学』川の水音がいい。適度に聞こえてくる人の声がいい。目をあげると遠く山が見えるのがいい。疲れたら下流に歩いて、また座って本を読む。景色が変わって、また新しい気分になる。ベンチによって読みやすさは変わって、背もたれが低いと腰が疲れることがわかった。椅子を持参でチェアリングしている人もいて、いいなと思った。寝ころぶのもよさそう。またやりたい。◆5/22
 
 
週末、宇治へでかけた。アニメ『響け!ユーフォニアム』のトークイベント。会場は満員。おそらく全国から集まっている。7名の声優陣が登壇。一緒に、特別に編集された振り返り映像をみる。短いカットひとつで、いろいろ思い出す。クイズ、朗読劇などのコーナーがあり、当たり前だけど、声優のみなさんの声の表情のつけかたがうまくて引き込まれる。◆最後に重大発表が。劇場とTVシリーズで、続編の放映決定。石原監督も登壇して、会場はしばらく拍手が鳴りやまなかった。続編の話はあの事件の前からでていたが、もうないかもしれないと思ったこともあった。それでもずっと待っていた人たちがこんなにいて、新作の話が聞けるのはうれしかった。◆原作の小説は完結していて、購入しているがまだ読んでいない。アニメを見てから読もうと決めて本棚に並べてから、もう3年が経った。あと2年は生き抜こう。◆6/6
 
 
梅雨に入って雨の日が続いた。部屋の中も外も湿度が高くて、体全体をなにかで覆われたような気分になる。というわけで、今年も除湿機を出してきて動かしている。湿度がさがると快適で集中力も続く。タンクに水がたまっているのもちょっとたのしい。この時期は除湿機がないとだめになってしまった。◆山下達郎の11年ぶりのアルバムが発売された。ラジオを毎週聞き始めたのが8年前くらいなので、それから初になる。CDとレコードで購入して聞いている。プロモーションでラジオへの出演が多い。聞ききれないほど。日曜天国とオールナイトニッポンゴールドは聞いた。普段と違うしゃべりがおもしろい。来月はライブがあるので楽しみに待ちたい。◆6/23
 
 
 
気づいたらもう7月も終わりそう。最近見た映像作品のことでも書いてみる。春クールのアニメで印象的だったのは、『かぐや様』3期の最終回1時間スペシャル。毎話安定のおもしろさだったのだけど、最終回はストーリー上もひとつの区切りということもあってか、作り手の気合いが画面越しにばんばん伝わってきた。ほかには『パリピ孔明』、ドラマでは『17才の帝国』がよかった。◆夏クールがはじまって、とりあえず1話を見る。今期はドラマで見たいのが多い。『初恋の悪魔』、『石子と羽男』、『量産型リコ』、『拾われた男』など。アニメは『リコリス・リコイル』くらいかなぁ。◆7/24
 
 
殊能将之    未発表短編集』が文庫化された。氏の作品はこれ以外すべて読んでいたのだけど、なぜかそのままにしていて、このタイミングになってしまった。短編4作を一気に読んだ。1作目からいかにも殊能将之作品というユーモアが味わえて、こういう小説が読みたかったんだよなぁという気分になる。◆好きな作家の作品を読み切ってしまう(そしてもう増えない)ということがあまりなかったので、面白く読み終えたと同時にさびしい気持ちにもなった。これまでそんなに作家読みをしていなかったと気づく。こんな気持ちになったのは、伊藤計劃くらいか。存命の作家には思わないし。これからこういうことが増えていくのかもしれない。でも、また読み返せばいい。本は残ってくれる。◆8/24
 
 
東野圭吾ガリレオシリーズの新作映画が公開された。まだ見てないが、テレビで新作ドラマをやったり、『容疑者Xの献身』が放送されて話題だ。『容疑者Xの献身』は、自分が初めて買った文庫本で、個人的に重要な一作である。◆あれは中学生で、まだ文庫がどういうものかもわかっていなかったころ。家の近くに、といっても自転車で20分ほどのところに、新しくTSUTAYAができた。どういう場所なのかもよくわからないまま、友達とでかけた。店内の目立つところに平積みされていたのが、『容疑者Xの献身』の文庫だった。ガリレオシリーズのドラマを見ていたし、せっかく来たのだからということで買った。それをきっかけに文庫本に手がのびるようになって、ミステリを読む日々になった。◆時がすぎて、そのTSUTAYAも閉店してしまった。いま思い出しても、あれは重要なきっかけだったと思う。◆9/25
 
 
先週、京都モダン建築祭というイベントがあり、京都市内に残るモダン建築が一般公開された。はじめての試みということで気になっていたので、クラウドファンディングから支援していた。京都市役所や府庁の旧本館、京セラ美術館などの非公開エリアが見れる。ふだんは見て通り過ぎるだけの建物に入ってみて、空間を感じたり、歴史を知ると関心がわいてくる。実際に現地に行ってみると、見学者の行列ができていてびっくりした。主催者としても、想定よりも来場者が多かったらしく、トラブルもあったよう。◆最終日にはクロージングイベントなるものがあって、主催者や行政の人、建物の所有者、サポーターが集まって、振り返りや今後の展望を公開で話していた。文化財のありかた、文化を残すために発信していかなくてはと考えている人がいて、その話に耳を傾ける市民が周りを囲んでいるという図は、ちょっと感動的だった。◆11/19
 
 
今年は沢木耕太郎を読み始めた年になった。旅行記深夜特急』は移動中に、日記エッセイ『246』は家のすきま時間に。長くにわたって少しずつ読み進めていた。活動がおもしろいし、書きぶりがすごい好み。作品も多数あるので、どんどん読んでいきたいと思い始める。次は何にしようかな、と調べていると、文藝春秋から沢木耕太郎ノンフィクションという全9巻の全集的なものがでていることを知る。ほしい。ネットで注文する。◆で、いざ届いてみるとなかなかのボリュームがある。厚さにして35cm、そろいの背表紙がかっこいい。来年はこれを読もう。ペースをつくっていきたいので、読書会をするなり、記録をとるなりしてみたい。◆12/24