はじめに
しゃべることがあまり得意ではない僕は、『どもる体』の序章を読んでいて、ハッとした。しゃべるときの体や各器官の動きについて語られていて、しゃべること=言葉選びという等式をつくってしまっていたことに気づいたからだ。当たり前すぎて見落としていた視点だった。
この本はどもりに注目し、しゃべることの身体運動としての側面にせまる。どもりとは、思ったのとは違う仕方で言葉が体からでてくること。吃音ともいう。現象としての吃音をフラットに観察していくと、その先に見えてくるのは、誰にでもあてはまる”ままならない身体”の姿である。
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