雑記2025

ときどきブログのサイドバーに書いていた短文を今年もまとめておきます。旅先と本の話が異様に多いですね。来年もいろいろ出かけていきたいと思います。

 

旅先で図書館を見つけると、つい入りたくなってしまう。この前は、岡山県玉野市立図書館に立ち寄った。ここは商業施設の2階にあって、明るくてきれいな場所だった。本棚が並ぶ先まで入っていくと、ガラス張りの部屋がいくつもあり、そこでは講座が開かれていた。座学のものもあれば、絵を描いていたり、料理をしていたり。図書館で料理というのは意外だったけど、いいなと思った。ほかにも自習室、子どものスペースなどもあり、どこもほどよく人がいた。ノンフィクションと海外文学棚の充実度を見るなど。◆岡山県立図書館にも行った。重厚な見ための建物で中も広い。入ってすぐ人文系の雑誌がたくさんある。ノンフィクションとか全集ゾーンとかを眺めてみる。ここもたくさんあって、書店にはない古めのものを背表紙でチェックできるのはありがたい。読みたいものを見つけてメモし、後日購入した。◆1/19
 
 
丸善を見てまわっていると、フェア棚の一列にぎっりしとペーパーバックがつまっていた。洋書バーゲンをしているらしい。とくになにかを探していたわけではないが、立ち止まってじっくりと見ることに。見慣れない本ばかりなので、日本語の本よりも背表紙を読むのに時間がかかるし、あまり内容が想像できない。一瞬、どっちが著者名でどっちがタイトルかわからないことも。定期的にトム・クランシージェフリー・ディーヴァーがあった。ニック・レーン、クリス・アンダーソンジャレド・ダイアモンドとかを見つけると手にとって眺めた。ふと"EPIC"という本が目にとまった。タイム誌のスポーツライターが書いた本らしい。なんとなく気になるところがあったので買ってみた。◆2/15
 
 
先週末、岐阜に出かけた。たまたま岐阜駅の商業施設で古本市をやっていて、土曜日の昼すぎに立ち寄ってみた。県の内外から古書店が集まって、棚を並べている。そしてたくさんの人でにぎわっている。駅がそれほど混んでいなかったので驚いた。ほぼすべての棚の前には本を熱心に見ている人がいる。ちょっと後ろから見るか、隙間を見つけて入るかという感じになる。見て回っているあいだ、ずっと100人弱くらいはいた気がする。じっくり見て4冊購入。レジも行列になっていた。◆次の日、時間ができたのでまた古本市を見に行った。同じように混んでいる。棚を見ていると探していた本があった。ゲイ・タリーズ『汝の父を敬え』のハードカバー。たぶん補充されたのだろう。そういうこともあるから古本市はたのしい。◆3/8

 

 
今年のGWはいろんなところに本を見に行った。京都では、みやこめっせにて「春の古書大即売会」があった。古書店が棚をずらりを並べている。気になる本を見つけては購入していく。合計9冊。『噓発見器よ永遠なれ』『キーボード配列QWERTYの謎』はその場で知って買った。◆次の日は、大阪四天王寺の「春の大古本祭』へ。境内にテントが並んでいる。かなり多い。合計10冊購入。このところ集めている山際淳司の本を4冊ゲット。◆次の日は姫路にでかけて、2つのブックオフに立ち寄った。あわせて8冊買う。山際淳司の文庫が4冊あった。京都のブックオフでは見たことなかったのでうれしい。◆5/11
 
 
先週、福知山へ出かけた。佐藤太清記念美術館で開催中の、こうの史代の漫画家生活30周年の展覧会を見た。『この世界の片隅に』の作者として知って、いくつか作品を読んでいるくらいなのだけど、強く印象に残っている。この展覧会では、原画や原稿を解説つきで読める。展示スペースは広めで、じっくり2時間ほど見ていた。漫画的なアイデアがつめこまれていて、言葉だけでは表現しきれないものがある。表現の楽しさと苦しさがテーマになることも多い。アシスタントに頼まない、トーンを使わないといったスタンスともつながっている気がする。かなり自費出版をしていることも知らなかった。『街角花だより』を購入。◆6/15
 
 
旅行の予定をたてると、読書のきっかけになる。北海道旅行の予定を考えているとき、そういえばと思って3冊の未読本を棚からとりだした。日本ハムファイターズの新しい本拠地エスコンフィールドをつくった人々を描いた鈴木忠平『アンビシャス』。北海道の新聞社を舞台にした小説、増田俊也北海タイムス物語』。観光が盛んになる以前の北海道を旅した、本多勝一『北海道探検記』。せっかくだから読んでから行きたいなと。動機と締切は人を動かす。出発の日までに『アンビシャス』を読み終えて、『北海道探検記』は途中まで。当日、行きの道中で飛行機がかなり遅れたこともあり、『北海タイムス物語』を一気に読む。いいタイミングだった。それから北大キャンパスの木陰のベンチで『北海道探検記』を読み終えた。◆7/28
 
 
やはり旅行の予定を立てると、その土地にまつわる本を読みたくなる。興味があるからそこに行きたいということもあるのだけど、それ以上に、行くと決めたからこそより気になってくる面が強い。自分ごととして読むという観点がひとつ増える。それだけで関心が広がっていく。今度秋田に行くので、そのきっかけで本屋で目にとまった本があった。工藤哲『ルポ 人が減る社会で起こること 秋田「少子高齢課題県」はいま』。帯に2024年の出生数が3309人とあって驚く。地方の課題を先どりするような視点もまぜながら、秋田固有の話が多め。第2章が丸々クマによる被害について書いてあり、ちょっとこわくなった。◆9/13
 
 
2025年11月1日、北九州市立美術館にて沢木耕太郎×黒田征太郎の対談が行われた。美術館では黒田の展覧会「絵でできること」が開催されていて、その企画のひとつ。沢木耕太郎を一度見てみたかったので、このために北九州市へ行くことを決めた。会場はけっこう広い。もともと80名のつもりが600名の応募があり、席を200名に変更したらしい。◆進行の方が2人を紹介すると、沢木が「僕が全部仕切ります」といって、2人だけのトークに突入した。ふつうは五分五分だけど、今日は僕が6割話しますといって、黒田との出会いを書いた40年以上前のエッセイ「名刺一枚」 の全文朗読を含め、黒田との関係を語り続けた。黒田につくってもらった名刺を「清潔な名刺」と形容していたのが印象的だった。書き起こしたらそのまま原稿になりそうなしゃべりに聞き入る。気づいたら30分経っていて、そこから対談がはじまった。出発することと逃げ出すこと、なにかに描かされているという感覚、画家以前の絵、沢木・黒田・磯崎の共通点などなど。◆11/3
 
 
石戸諭『昭和ノンフィクション名作選』という本をきっかけに、取り上げられている11作を読む読書会を始めた。月1のペースで開催し、第3回まで終わった。1回目は開高健『ずばり東京』、2回目は本田靖春『誘拐』、3回目は柳田邦男『マッハの恐怖』。重厚な作品がならぶ。事前知識がそれほどあるわけでもないので、60年前の時代感覚にとまどいながらも、おもしろく読むことができている。ひっかかるところや、補足的に調べたことなどを話すのも楽しい。この順番で読むからこそ見える作品のあいだのつながりもある。ノンフィクションの隆盛期には、音声や映像のメディアも発達し、その様子も作品に刻み込まれている。作中に描写があるというだけではなく、なぜ文章で発表するのかという問いもあったはずだ。◆12/20