上半期も終わりということで、振り返って、良かった本を10冊選んでみました。
フィクションから5冊、フィクション以外から5冊で順不同です。
G.K.チェスタトン『木曜の男』
初チェスタトン。いちばん衝撃を受けた。スパイもの、ミステリ、幻想などジャンルを横断する面白さ。
ウィル・ワイルズ『時間のないホテル』
世界展開するホテルを舞台にしたSF。グローバルスタンダードとなった没個性的な空間の快適さと不気味さをうまくとらえている。
山口雅也『キッド・ピストルズの冒涜』
こちらはミステリの短編集。昨年読んだ『生ける屍の死』が最高だったので。「曲がった犯罪」がベスト。
キッド・ピストルズの冒涜―パンク=マザーグースの事件簿 (創元推理文庫)
- 作者: 山口雅也
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1997/02
- メディア: 文庫
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
ジョン・スラデック『見えないグリーン』
これもミステリ。中途半端に見える手がかりが、一気につながっていく終盤が見事。
- 作者: ジョンスラデック,John Sladek,真野明裕
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/09
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (43件) を見る
恩田陸『蜜蜂と遠雷』
続いてフィクション以外から。
東浩紀『ゲンロン0』
東浩紀の集大成。経済と政治、グローバリズムと国家がせめぎあう状況と人間像をクリアにとらえている。
千葉雅也『勉強の哲学』
勉強をすると一度ノリが悪くなる、言語偏重になるという勉強観が新鮮。勉強の感覚をしっかりと言語化してくれる本。
アラン・ケイ『アラン・ケイ』
黎明期、パーソナル・コンピュータのビジョンが明確かつ簡潔に書かれた論文。そして評伝。iPadのさらに先までのビジョンがある。至言連発でかなり価値の高い本。絶版にしておくのはもったいない。
- 作者: アラン・C.ケイ,Alan Curtis Kay,鶴岡雄二
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 1992/04
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 69回
- この商品を含むブログ (48件) を見る
アレックス・メスーディ『文化進化論』
進化論の方法論で学問を横断的に統合することを目指す。マクロとミクロをつなげる大胆な仮説がおもしろい。話の運びもスマート。
井上智洋『人工知能と経済の未来』
人工知能動向の分かりやすい導入から始まり、失業問題と絡めてベーシックインカムの提案まで。試算の妥当性とか専門的な話は分からないが、BI導入という1つのビジョンが明快にあって、かなりおもしろい。
以上。