「足がつる」を意識しはじめたのは、小学校の低学年くらいだっただろうか。まわりでぽつぽつと、この言葉を聞くようになった。それは水泳の授業だったり、野球をしているときだったりした。
足がつった人はその場で止まって足をおさえ、とても苦しそうにしていた。痛みがひくのを待って、ストレッチをした。ぼくはそのころまだ足がつったことがなく、「足がつる」ということがなんなのかわかっていなかった。大丈夫かな、と思うのと同時に、なにが起きているのかを知りたがった。
周りに聞いてみた。突然痛みにおそわれる、しばらく安静にしているとおさまる、筋肉が引っ張られるような感じ、つる前の予感がある、など教えてくれた。なかには、長時間正座したときにおきる「しびれ」と混同している人もいた気がするが、なんとなくのイメージはできた。
それでもまだ謎は残った。「足をつる」という言葉の使い方について。みんながこの言葉をどうやって覚えたのかが気になった。あるときには、「君がその現象をそう呼ぶのはわかったけど、なんでそれがみんなと同じ「足がつる」だとわかるの?」というようなことを聞いた。いま思えば、そうとうめんどうなやつだ。
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