アポロ11号とともに人類がはじめて月面に降り立ってから今年で50年になる。いまでは経営者が宇宙事業に乗り出し、宇宙ステーションへの輸送を手がけている。この間に機体制御、コストダウン、通信などの技術は蓄積されてきた。
次は火星へ、といった発言もときどき目にする。しかしなんというか盛り上がりを感じない。もっと大事なことがあるだろう、みたいに。アポロ計画のときはどうだったのか。
デイヴィッド・ミーアマン・スコット&リチャード・ジュレック『月をマーケティングする アポロ計画と史上最大の広報作戦』(訳/関根光宏・波多野理彩子、日経BP社)の帯文にはこうある。
続きを読む人類がまだ火星に行っていないのは、科学の敗北ではなくマーケティングの失敗なのだ。