パクリやコピーという言葉には悪いイメージがつきまとう。楽して人の成果を横取りしている、と。K・ラウスティアラ&C・スプリグマン『パクリ経済――コピーはイノベーションを刺激する』(みすず書房)は、コピーと創造性の関係について常識をくつがえすような事例を紹介している。必ずしもパクリ=悪ではなく、特定の分野ではむしろプラスにはたらいている。
私たちの主要メッセージは、楽観的なものだ。驚いたことに、創造性はしばしばコピーと共存できる。そして条件次第では、コピーが創造性の役に立つことさえあるのだ。(p14)