高校までの歴史の授業が苦手だった。なんとなく、つかみづらい。いまから振り返ると、その原因は授業の内容が政治史を重視で、その政治にあまり興味がもてなかったということが大きい。
歴史は、政治以外のさまざまなものからも語ることができる。たとえば、話題になったハラリの『サピエンス全史』は、「虚構」を軸にしてサピエンスの歴史をとらえるという試みだった。もちろん、国家という虚構がもたらした政治への影響、みたいなかたちで政治にも触れているが。
そもそも歴史における重要な出来事とはなんだろう。それは、さまざまなものの個別の歴史における転換点だと思う。そういう意味で、影響範囲が広い政治史は重要だが、その重要性を理解するには政治史以外の歴史を参照する必要がある。なにか興味あるものの歴史をさかのぼってみて、教科書的な歴史との相似関係を見つけていくというような。
最近読んだ本で『トラクターの世界史』はまさにそういう本だった。
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